「子供には知られたくなかった」「夫婦喧嘩をみて心に傷は負っていないだろうか」と心配している人が多くいます。
お父さんとお母さんは仲が良いものだと信じている子供にとって、夫婦喧嘩を目撃することは衝撃にも似た感情を得てしまいます。
子供に与える夫婦喧嘩のトラウマやストレスはいかがなものなのか、気にしている方も少なくありませんので、こちらで詳しく解説していきます。
あなたも幼い頃、両親の夫婦喧嘩を見た時の記憶と重ね合わせてみてください。
目次
PTSDなどの精神疾患になる可能性も
心的外傷後ストレス障害をPTSDと呼びます。
夫婦喧嘩による大きな声や怒鳴り声を恐怖に感じ、ストレスを与えられたことで発症することもあります。
子供にとっては、いつも優しいお父さんとお母さんですから、罵り合うような言葉を言い合っていることは相当のトラウマになるのです。
PTSDになると、過緊張の状態が続き、不眠になったり頭痛、腹痛、吐き気などを催したりします。
風邪のような症状かなと思って病院を受診させてもそうではない、という時にはPTSDを疑いましょう。
酷くなると、摂食障害や自傷行為に走る子供もいます。
夫婦ですから意見の相違などで本気の喧嘩をしてしまうこともありますが、もしも子供に見られたとなると、このような症状がないかどうかしばらく観察してあげてください。
大好きな両親の怒鳴り声だけではなく、怖い顔も脳裏に焼き付いているかもしれません。
急に赤ちゃん返りをすることもあり、様子を見ていると親なら当然気付く症状が表れます。
適切な治療を施せる環境を作りましょう。
子供の成長をとめてしまうかも
子供は毎日すくすくと育ち、大人への階段を昇っています。
子供たちの成長は当たり前で疑いのないことだと思っているあなた、実は夫婦喧嘩によってその成長をとめてしまうことがあるのです。
強いストレスがかかると、眠れなくなった経験のある人も少なくありません。
子供にも同じことが言え、激しい夫婦喧嘩を見てしまうことで不眠の状態になってしまいます。
睡眠中に成長ホルモンが多く分泌されることで、子供の成長を助けているのですが、眠れない、質の悪い睡眠では大きく成長ホルモンの量が減ってしまうのです。
身長の伸びが悪くなり、睡眠不足によって情緒不安定になる子供もいます。
体の仕組みが整わなくて、免疫力が低下し病気がちになることもあります。
また、脂肪が増加し太りやすくなるとも言われていますので、心配な時にはしっかりと子供の成長を確認しましょう。
夫婦喧嘩を見せたくて見せたわけではないとしても、子供にとっては衝撃的な場面であったことには変わりません。
こちらも心に傷を負った状態ですので、心配な症状が現れた時には夫婦仲良く暮らすことを目指しながら、専門の医師の診察を受けましょう。
子供自身も苦しい状況に置かれていますので、その場から早く抜け出せるようにしてください。
将来の恋愛や結婚に否定的になるかも
まだまだ子供が見て覚えて成長する時期に夫婦喧嘩を見たとなると、恋愛や結婚に否定的な子供になるかもしれません。
「両親は結婚をしたからいがみ合っているんだ」と思うようになります。
例えば、娘ならば怒っている父親を見て「男の人はこんなに怖い」と刷り込まれ、結婚どころか異性にさえ興味を示さない可能性もあります。
仮に好きな人を見つけ恋愛をしても「自分も両親のようになったらどうしよう」と感じていて、結婚に踏み切れないということも。
長い期間に渡ってトラウマとして脳に刷り込まれていくことで、子供の未来を大きく変えてしまうかもしれない夫婦喧嘩、せめて子供の前ではしないようにしたいものです。
「意見が対立して喧嘩のようになってしまうこともあるけれど、しっかりと仲直りをするのよ」「愛する人を見つけて試行錯誤しながらも未来を築いていくことの素晴らしいこと」などをフォローも込めて話していきましょう。
人は時に感情的になってしまうこともあるけれど、それは「自分のことを理解して欲しい」、「相手を陥れるためではない」ことも説明してください。
大人になるにつれて、人の感情が分かるようになった時にはトラウマやストレスが少しでも軽減していることを目指しましょう。
自分の存在を否定するかも
自分で「自分は必要な存在だ」と認識することを自己肯定感と言います。
これは、人に愛されていることを実感する度に高められるもので「僕は生きていていいんだ」と思えるもの。
しかし、幼い子供が両親の喧嘩を真に当たりにすると「自分が生まれてきたからパパとママは喧嘩をしているんだ」という思考回路になると言います。
自分に自信をなくし、意思を人に伝えられなくなりおどおどした印象を与えることになるのです。
これでは上手く人間関係を築くことはできなく、社会に馴染むことができません。
保育園や幼稚園、小学校も子供にとっては社会でありコミュニティ。
自己肯定感が低くなることで、いじめの対象になってしまうようなことがあると、親としても心配です。
内気になるだけではなく、自暴自棄になる子供もいて非行に走る子供もいると言います。
両親は子供にとって絶対的に信頼のできる人ですから、その二人が大声で喧嘩をしていたり怖い顔をしていたりすると、このような自己肯定感の低い子供になってしまうのです。
子供の受け取り方、そこからの心への感じ方、処理の仕方によって「自分はいらない子なんだ」と自傷行為、自殺行為をしてしまうことがあります。
暴力的で乱暴な大人に育つかも
夫婦喧嘩によって子供は暴力的で乱暴な大人に育っていくことがあります。
ストレスを感じることで、自分の力で体と心を守ろうとするのです。
その方法とは、子供にストレスを与える人物(ここでは両親)よりも強く大きく見せようとすること。
自衛本能で行っていることですが、子供の心の底にある悲しいトラウマやストレスを知らない、または気付かない大人にとってはただの乱暴者だと映るでしょう。
親のしていることを真似ることから始まります。
子供の世界では、乱暴者の子供は避けられますからそこに再びストレスが生じ、余計に某量的な子供に育っていく、悪循環が生まれます。
特に気を付けなければならないのは、夫婦喧嘩を静かに傍観している子供です。
平気なフリをしている、泣かない、反応しないということは我慢をしていることで心理状態は良くないことが分かります。
将来的にどんどんと暴力的で手に負えない大人になっていくきっかけが夫婦喧嘩だとしたら悲しいことです。
感情的になることを避け、やはりせめて子供の前で怒鳴り合いの喧嘩はしないようにしましょう。
暴力を振るうのはもってのほかです。
「親がしているから、怒りが湧いてきたら人を殴ればいい」という思考回路を持ってしまいますので注意しましょう。
子供の前ではグッとこらえるのも親のつとめ
子供の成長を心待ちにそして楽しみに過ごしている両親でも、時には喧嘩をすることはあります。
一緒に生活をしていると意見が交わらないことや何かを決めなければならない時に決断が違う方向にあるなど。
しかし、子供が可愛いのならば子供の前で喧嘩をするのは良くありません。
「健やかに育って欲しい、愛している」という想いのある両親ならば、親のつとめとして夫婦カッとなっても感情を抑えてください。
気持ちが落ち着いた時に、冷静に夫婦で話し合えばいいのです。