最近では、婚姻途中からや結婚して最初から夫婦で「別居婚」を選択する人がいると話題になっています。
生活の拠点を別々にして、交際の延長線上の関係を保っているのです。
別居婚には、メリットとデメリットがそれぞれあることから、夫婦で試行錯誤した結果であると想像します。
しかし、実は別居婚での離婚率の高さを指摘されたり、子どもへの悪影響が取りざたされたりすることも珍しくありません。
こちらでは、どうして別居婚で離婚する夫婦が多くなってしまうのかの理由と子どもへの影響についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
別居婚が離婚になる原因
負担が大きくのしかかる
別居婚が原因で離婚になる理由の一つには、どちらかに大きく負担をのしかかることになることが挙げられます。
特に子どもと一緒に暮らす方にとっては、様々な負担を一人でこなさなければならないデメリットがあるのです。
幼稚園や保育園などの手続きや、生活に関わる全般的な育児、子どものための情報収集を一人で行っているとその状況に嫌気がさしてきます。
仕事をしながら別居婚を選ぶ人も少なくありません。
子どものことが嫌になるのではなく「一人で手続きなどをしていること」に疑問を持つようになります。
子どもはパートナーと二人で育てるべきなのに、一緒に暮らしている方にだけ負担を感じると「離婚してもいいのでは?」という心理にもなってくるのです。
トラブルへの対処が遅くなりがち
家族に対して事故や病気などのトラブルが起きた場合には、一緒に暮らしていないことで対応が遅れてしまうことがあります。
もし、子供が学校の登校中に時期に遭ったとしましょう。
その連絡は仕事中であろうとも、まずは同居している親に知らせがきます。
ここで、同居婚ならばすぐ近くに配偶者がいる、いなくても相手が今何をしているのかを把握している場合も多いので、すぐに情報共有ができるのです。
子供の事故を聞いたあなたを落ち着かせる夫は近くにはいなく、なかなか連絡もつかない状況となった際には、対応が遅くなってしまい、それは時に夫婦間に亀裂を起こすこともあります。
一定の距離をおいて会う時には新鮮な気持ちを保ち続けられるというメリットのある別居婚は、このようなトラブルには弱く、信頼関係を壊してしまう事態を引き起こしてしまえば離婚という決断に至ってしまうでしょう。
夫婦の意味を見失う
別居婚は離婚率が高いと言われている理由には、夫婦の意味を見失うことが挙げられます。
家族で過ごすのは週末だけ、前項で述べたように家族にトラブルが起こった時には手助けできる環境にいないことなど、生活を共にしていないことで「夫婦って何だっけ?」という思いになるのです。
子供のいない夫婦でも、お互いの生活を優先させられ、仕事の仕方にも干渉されないことはメリットだと言われていますが、それならば「結婚した意味はないのではないか」と感じます。
「別居婚」をする夫婦は、結婚式も挙げないというカップルも多くいますので、結婚式によって「私たちは夫婦になりました!」と強い責任を感じにくいことも理由として挙げられるようです。
一緒に暮らしていない夫婦が、「夫婦とは?」と考えてもなかなか答えを出すことが出来ません。
一般的な夫婦の情報を集めても、二人に当てはまるものを見つけられないのですから当然です。
ただ、婚姻の手続きを済ませただけで、生活を共に送ってはいませんから、「助け合って」「支え合って」ということを理解できずに、離婚へと進みます。
別居婚によって子どもの心に大きな傷を与える理由
周囲の家庭との違和感
別居婚は子供の心に大きな傷を与えると言われています。
小さな子供ならば、「お父さんとお母さんが離れて暮らす意味」をきちんと理解できないのは当たり前かもしれません。
子供は周囲の家庭との違和感を抱き、「おかしな家庭は自分のところだ」と思うようになるのです。
誰でも、みんなと一緒ならば安心するものですが、家族のあり方が根本的に違うと不安にもなります。
お父さん(あるいはお母さん)とは、週末にしか会えない、一緒に暮らす親は仕事で忙しいから一人でご飯を食べたり、祖父母に預けられていたりと不思議な環境ばかりが目につきます。
両親それぞれに自宅を持っているわけですから、単身赴任などの仕事の都合で「どうしようもなく」という現状ではないことに気付くと、夫婦仲を疑うようになり悲しい思いをさせてしまうこともあるでしょう。
結婚や家庭に対して後ろ向きな大人になる
別居婚をしている家庭に育った場合、結婚や家庭に対して後ろ向きな大人に子供がなる可能性があります。
一緒に暮らすことは「両親にとって不都合なことなのだろう」「それだけ結婚をするのは難しいことなんだ」と意識を植え付けさせてしまうのです。
結婚した夫婦が手に手を取り合って助け合って生活をしている姿を見ませんので、男女の関係に苦手意識を持つ子供もいるでしょう。
そこに、純粋な子供は結婚式もしていないことを知ると愛し合って結婚したわけではないのかな?と誤解したまま成長することもあります。
家庭を築くことについても同じことが言えます。
子は親の背中を見て育つと言われている通り、結婚生活の送り方や毎日の家庭の築き方、生活の仕方をきちんと見ていないからこそ、「苦手」「難しい」と潜在意識で感じるようになるのです。
一生独身を貫き通すことも想像できますので、人知れず子供は別居婚によって傷ついていることを感じ取り、対処する必要があります。
寂しい
単純に寂しいと訴えることは少なくありません。
両親が揃った家庭を認識すると、余計にそう思います。
これは子供にとって別居婚の大きなデメリットだと言えるでしょう。
親がそばにいればそれでいいと思うかもしれませんが、父親と母親の役割は全く違うもの。
それぞれの立場で子供に接することで、多くのことを教育できますから、やはり今でも離婚に大賛成する意見は少ないのです。
頼りたい時に頼りたい人がいない状況は子供にとって酷な状況。
両親揃っての愛情にはかなわないところも十分にありますので、寂しい思いをした子供の心には大きな傷が出来ていることもあります。
流血しているわけではないので、目で確認をすることは出来ませんし、子供は純粋で優しいので「親に心配させたくない」と必死に心の傷を隠していることもあるのです。
周囲の家庭とは違うことも手伝って、父親も母親もきちんといるのに一緒に暮らしていないというだけでも寂しさを感じてしまうことを覚えておきましょう。
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別居婚をするのなら、子供と向き合って
別居婚は何もデメリットばかりではなく、メリットも存在します。
距離を少しおいておく方が夫婦仲が良く保てる、それぞれのプライバシーを大事にできる、保守的にならないなど、愛し合っているからいつもそばにいなければならないわけではありません。
ただ、実際に別居婚を経験した人の多くは離婚を選択している事実があり、子供には大きな悪影響を与えてしまいかねないことはしっかりと覚えておく必要がありますね。
別居婚を選ぶのならば、子供とは向き合い、可能な限り納得してもらう形をとり、両親にはしっかりと愛されていることを実感できるようにしましょう。
二人の子供を守ることは夫婦にとって大きな意味を持つのです。